2012年11月5日月曜日

竜ノ湖太郎「問題児たちが異世界から来るそうですよ?YES! ウサギが呼びました!」



 世界に飽きていた逆廻十六夜に届いた一通の招待状。『全てを捨て、“箱庭”に来られたし』と書かれた手紙を読んだ瞬間―完全無欠な異世界にいました!そこ には猫を連れた無口な少女と高飛車なお嬢さま、そして彼らを呼んだ張本人の黒ウサギ。ウサギが箱庭世界のルールを説明しているさなか「魔王を倒そうぜ!」 と十六夜が言いだして!?そんなこと黒ウサギは頼んでいないのですがっ!!超問題児3人と黒ウサギの明日はどっちだ。



 タイトルから漂う地雷臭に反して、内容は意外にも普通に異世界ファンタジーをやっていたので驚いた。

 おおまかなあらすじとしては、異世界から召還された主人公三人が衰退したコミュニティを再興し、奪われた仲間たちを取り返すために、魔王を打倒を目標に敵と戦っていくというかなり王道な物語。萌えキャラやサービスシーンはあれど、ラブコメ要素はなく、単に俺tueeを楽しむ小説といった印象。世界最強クラスだった主人公たちでも適うかどうか分からないような魔王の存在など、これからは敵もインフレしてきそうで楽しみ。

 主人公たちの目標は明確であるものの、神話やら童話やらを練り込んだ世界観やギフトという設定も凝っていて、それだけに、もうちょっと表紙を一般向けというか、「とある魔術の禁書目録」みたいな中高生層にも受ける感じにしても良かったのではないかと思う。ちょっとこの表紙だと、単なる萌えラブコメみたいな印象しか受けない。黒ウサギは確かに可愛いけどね!

 一巻だけでは、主人公たちの過去が殆ど語られることなく、各々の能力に説得力が感じられなかったのが残念だけど、もはや最近のライトノベルは続刊ありきのストーリー構成をしていることが多い(ライトノベルはそういうところも非常に漫画的だと思う)ので、そのあたりはこの先に期待したい。

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