2012年7月29日日曜日

清涼院流水「とくまつ 夜霧邸事件」




双子の女子高校生フレアとクレアは、弓道部の仲間の夜霧咲の生命を護るため、年上のボーイフレンド―出有特馬、山本新悟とともに、夜霧邸内の弓道場で武装する。待つこと24時間…。ブジに夜霧咲を護り通せたと安墸した矢先、事件は始まる。敷地面積1000坪の夜霧邸を護る1000人もの凄腕ボディガードが次々に殺害され、ついに敵の魔の手はフレアたちにも迫る―。謎めいた敵の人数は?攻撃の方法は?大説家・清涼院流水が入魂の書き下ろしで贈る、掟破りの「館ミステリー」!新たなショウが、今、幕を開ける。



 以下、微妙にネタバレ注意。



 読んでる途中にこの本を壁に投げつけなかった僕は、結構我慢強い人間だと思う。

 前作は見開き一ページで一日を描くという実験小説だったけど、今回は見開き一ページで三分~十分くらい経過するという形式になっている。

 というか、この本を「館ミステリー」にカテゴライズできる出版社はおかしい。細い針を投げて千人殺すって、ラノベならともかく、一応ミステリーを謳っている作品でやっていいはずがないだろうと。

 ちなみにこの作品、あらすじの部分に到達するまでに本編の九割を費やしているため、ぶっちゃけ、あらすじを読んだ後に202ページ(ほぼクライマックス)から読み始めても内容は十分に理解できる。

 もしも本屋にこの本があったら、是非、手に取ってみてください。非常に希有な体験が出来ると思います。ただ、わざわざお金を出して買うのはおすすめしません。
 僕はこの本を古本屋で手に入れたのですが、これを新品で買った人がいることに同情を覚えずに入られませんでした。どうしてこんなのが流通に乗ったんだろう……。

 ――というのは、ミステリーとして読んだときの感想。しかし、これを『大説』としてみるのなら、また別の評価になる……らしい。
 僕は清涼院流水をこのシリーズで初めて読んだ、いわば新参者なので、単に良さが分からなかっただけかもしれません。

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