強大な力で街を破壊し、ひとびとを殺し、そのうえ何度死んでもよみがえる恐怖の存在―“人魚”。人間はその怪物を撃退し、飼い慣らし、“歌い手”と呼んで同類退治の道具としていた。歌い手を操り人魚を狩る“指揮者”の森実ミツオは何をやってもさえないグズの少年。しかし、記憶をなくした歌い手・真名川霙との出会いが、ミツオを変える。逆転重力、遅延時空に過不眠死。絶対零度のツンデレ・バービー、罵倒系お姉・由希にみだらなラビット―奇想につぐ奇想と流麗な人魚たちが物語を加速する。超絶詩的伝奇バトル&ラブ。
初の中村九郎先生。
噂はかねがね聞いていたんだけど、予想以上に独特のセンスの持ち主の方だなぁと。
良い意味でも悪い意味でも詩的。正直小説としては内面描写が足りないというか、読む側が行間を想像しつつ読まないといけないという点は読みにくい。のだけど、所々でその独特の文体と物語とのピントが上手く合っているせいか、それがある意味で味にはなっていると思う。
人魚など物語の設定はかなり面白かったので、続編もそのうち手を出してみようかな。
それにしても、最後の一文がロマンチックで素晴らしい。
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