毒々しい赤のマーブルにデフォルメちっくな女の子の表紙が目を引く、「空が灰色だから」。最近色んなところで話題なので購入。
裏表紙に「10代女子を中心に、人々のうまくいかない日常を描く」とあるように、他人と違っているが故に、どこかしら孤独を孕んでいる人々が中心の一話完結オムニバス。
絵は表紙のとおり、久米田先生っぽいデフォルメされているのが特徴。キャラクターが普段隠している本音を語ったりするときに、キャラがベタで真っ黒に塗りつぶされる演出は怖くて新鮮だった。
収録されているのは十二編(+一遍)で、まとめてこれというジャンル分けはすることができず、くすっと笑えるコメディや胸を打つような泣ける話から一切救われることのない暗い話、はたまた落ちのないシュール一辺倒の話まで幅広い。最初はコメディのつもりで読んでいたら、途中で一気にどん底に落とされることがあったりして、読んでいて心を抉られることも多々あったり。
かなり心にくる濃い話が多いので、本当は週刊誌で一話一話できるだけ間を空けて読みたい。そんなかなり珍しい作品だと思う。
というか、どうしてこれが少年週刊誌で連載されているんだろう。少年誌にしてはシュールで毒が強すぎるし、週刊誌でこのクオリティのオムニバスを連載できるなんて、この先どこかでぽっきりと筆が折れてしまわないか心配。
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