2012年7月29日日曜日

石田衣良「アキハバラ@DEEP」




社会からドロップアウトした5人のおたく青年と、コスプレ喫茶のアイドル。彼らが裏秋葉原で出会ったとき、インターネットに革命を起こすeビジネスが生まれた。そしてネットの覇権を握ろうとする悪の帝王に、おたくの誇りをかけた戦いを挑む!TVドラマ、映画の原作としても話題の長篇青春電脳小説。



 丁度この本(単行本)が発刊されたのがメディアがアキバ系を面白可笑しく報道していた頃なので、それに上手く乗っかった感じになるんだろうか。面白くなかったわけじゃないけど、やっぱりIWGPや4TEENには及ばないかなという印象。それに主人公たちのテロがまるで良いことだったみたいに描写されているのは、いくらなんでも都合が良すぎる気がする。

 でも、人間じゃない存在の一人称にすることで、電子的な存在に人格を認めるような書き方になっているのは面白いと思った(まあほとんど三人称みたいなもんだけど)。
 ただ個人的にはこの人の読みやすくてリズミカルな一人称が好きなので、どうしても本作は著者の代表作ほどは評価できないかな。
 あとページ数が多めなので、この内容ならもう少し減らすことが出来たんじゃないかと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿