2012年7月29日日曜日

清涼院流水「コズミック 流」




1974年8月9日兵庫県生まれ。京都大学経済学部在学中の1996年に、本作品『コズミック世紀末探偵神話』で第2回メフィスト賞を受賞しデビュー。同書は型破りな設定やストーリーが発表当初から大きな反響を呼んだ。第2作となる『ジョーカー旧約探偵神話』(2分冊の上巻が講談社文庫に本書と同時収録)は本作品と対をなしており、両作品を通読してはじめて浮かび上がる仕掛けが施されている。その後も問題作を多数発表、ミステリー界で特異な地位を占めている。著書に『19ボックス新みすてり創世記』、3分冊で原稿枚数4200枚におよぶ『カーニバル』シリーズ(すべて講談社ノベルス)など。


 先日のとくまシリーズにて、読者を唖然とさせる『大説』の威力を思い知った僕ですが、懲りずにまた再び『大説』に挑戦してみることにしました。というわけで、今回は第二回メフィスト賞作を上下巻に分けたうちの上巻、『コズミック 流』の感想です。ちなみに過去に舞城王太郎によるJDCシリーズトリビュートの『九十九十九』を読んだことがあるので、JDCシリーズ自体は初めてというわけではありません。

 なんでもこの作品の読み方としては、『コズミック 流』→『ジョーカー 清』→『ジョーカー 涼』→『コズミック 水』というのが理想らしく、つまり『コズミック』を最大限楽しむためには、同じJDCシリーズである『ジョーカー』も読まなければいけないのだという。……めんどくさいこと甚だしいな、おい。

 デビュー作でありながら、とくまシリーズと比べると文章も安定してるし、ずっと推理小説っぽい。犯人が「一年で千二百人を密室で殺す」とか犯罪予告しちゃうところはあれだけど。
 まだ上巻では、淡々とあらゆるタイプの密室殺人事件が起こるだけで、推理らしい推理も一切されておらず、(この事件を解決するという意味での)探偵も登場していないので、まだ面白いとかつまらないとかを言えるレベルでじゃない。さっさと『ジョーカー 清』へと進みたいと思う。

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