大橋賢三は黒所高校二年生。周囲のものたちを見返すために、友人のカワボン、タクオ、山之上らとノイズ・バンドを結成する。一方、胸も大きく黒所高校一の美人と評判の山口美甘子もまた、学校では「くだらない人たち」に合わせてふるまっているが、心の中では、自分には人とは違う何かがあるはずだと思っていた。賢三は名画座での偶然の出会いから秘かに想いをよせていたが、美甘子は映画監督の大林森にスカウトされ女優になることを決意し、学校を去ってしまう…。―賢三、カワボン、タクオ、山之上、そして美甘子。いまそれぞれが立つ、夢と希望と愛と青春の交差点!大槻ケンヂが熱く挑む、自伝的大河小説、感涙の第2弾。
筋肉少女帯の大槻ケンヂによる自伝的大河青春小説第二弾。
今回はバンドの関連の話が中心で、筋肉少女帯や町田康、人生など実在のバンドをモチーフにしたキャラクターたちがちらっと登場。この辺りは、バンドブームの時代を生きてきた著者お得意のエッセイっぽさが感じられた。でもこの人のエッセイ、ネタが被っていることが結構あるんだよね……。リンダリンダラバーソウルなんかはもの凄く面白かったんだけど。
女優としてデビューし、チョキ十連発で賢三を追い抜いていった美甘子が恋を知っていき、今まで軽蔑してきた普通の少女になっていく様と、ほとんど最後まで(それも最後には変わってしまうのだけど)自分には何かあるはずだと信じ続ける賢三の対比は読んでいて胸が痛くなった。
終わり方も後味が悪いし、続きが気になって仕方ない。あとがきではハッピーエンドにしたいと書いていたけど、この先どうなるんだろう。
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