つらくて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中の宝物を蘇らせてくれる珠玉の短篇集。
五作品からなる短編集。
この本に登場するどの女性にも悲しくて痛い過去や出来事があって、それを等身大の視点から読みやすく表現している。また、日常の漠然とした不安や切なさが丹念に描かれている点も良かった。こういう所が、よしもとばななが女性から圧倒的に支持されている理由なんじゃないかと思う。
個人的に一番好きなのは「幽霊の家」。ほっこりとして、幸せな気分になりました。日曜日の午後に光の当たる場所で読みたい感じ。
まるっこいというか、女子高生が書きそうなふわふわとしたつかみ所のない文体なんだけど、なぜか心の奥底に染み渡ってくる。そんな文章を僕も書いてみたいものです。
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