2012年7月29日日曜日

清涼院流水「とく。」



帰る家を失い、殺しに長けた処刑人たちに命を狙われる身となった5人の若い男女。冷酷無比な敵は若者たちを分断し、互いに殺し合わせるべく、狡猾な罠を仕組んだ。再会した母親・美木愛恋から自分の名前に隠された出生の秘密を聞いた出有特馬は、生き残った仲間たちと共に、最終決戦の地へ向かう。かつて町の住民全員が殺されたという、その曰くつきの土地で―すべてに決着をつける最後の死闘の幕が上がる!前2作『とくまでやる』『とくまつ』の伏線も回収して、あらゆる謎を鮮やかに「解く。」!ノンストップ・バトル・ミステリー最終章。




 ネタバレ注意。



 あらすじにノンストップ・バトル・ミステリーとか書いちゃう時点で、逆ベクトルに期待に胸が膨らんでしまう本作ですが、なんだかんだで面白かった。ような気がする。

 というのも、ミステリーをやろうとしてた感があった前巻とは違い、今回はミステリーであることを捨て去り、完璧なバトル物なっているからです。
 最近のジャンプはすべてが血統で決まるとか揶揄されていますが、まさしくそれを彷彿とさせる展開の連続。主人公の両親について、衝撃の秘密が語られたかと思うと、何の説明もなく「気」とか出てきちゃう。そして、「気」でネクタイを剣にしたりしちゃう。最後にはビルを破壊したりの大暴れ。
 まさかミステリー小説のつもりで読んでいたのが、途中から少年マンガへと変貌を遂げるとは思わなかった。途中からもう楽しめればなんでもいいやーという気分になったため、超展開をにやにや楽しみながら読んでたけど。もしかすると、この超展開こそが清涼院流水が書く「大説」の重要な要素となっているのか。

 にしても、最後が少々投げっぱなしなのがちょっと残念。なぜか特馬が女の子三人と同居するハーレムみたいな終わり方になってるし。これじゃあ、死んだ新悟君が浮かばれないよなあ。

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